平成26年 2月文楽公演「染模様妹背門松」

世話物。恋をする久松とお染は、本音と建前、心と身体を分離することができない。こどもの論理で生きている。それに対し、彼らを取り巻く親や関係者は、おとなの論理で生きているから、彼らを説得しようとする。しかし、こどもは、おかしな夢を見て、ふたりだけの世界があると勘違いしてしまう。そして命を断つ。そんな必要はなかったのに。江戸時代のロミオとジュリエット

世界プロレス協会 2月16日

2月16日に西調布で開催された女子プロレス。私としては生まれて初めてプロレスを見に行った。40人ほどの観客に見守られながら、女性2人あるいは女性3人が、取っ組み合った。試合のあとに、歌のショーがはじまり、驚く。歌詞を見ながら歌うことに対し、ファンからは温かい声援が送られていた。そののち、負けた方も歌い出し、もう一度驚いた。

スティーブン・ダルドリー「愛を読む人」

2008年製作。原作は『朗読者』。「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い 」に感激し、この監督のことを知った。両作品に共通していることは、大きな歴史的悲劇(911ホロコースト)を下敷きにしながら、個人的な哀しみに焦点をあてていること。

愛を読むひと<完全無修正版> [DVD]

NHKスペシャル「オウムが来た町」

オウムはかつて下町に進出していた。オウムは隣のビルでマントラを唱えていた。オウムは麻原逮捕後も増殖を続けていた。オウムはすぐそこに暮らしていた。オウムは帽子を目深にかぶり、声をかけても、なんの返事もしなかった。これらのことを胃がキリキリするようなロングカットに記録したドキュメンタリー。

崎山多美『ムイアニ由来記』

沖縄の女たちの「声」をふうじ込めたような短編集。第一話「ムイアニ由来記」は不気味な声に誘われるうちに、自らの中にあった闇へと導かれてゆく30代女性の話。「オキナワンイナグングァヌ・パナス」は小学生の女の子が虚ろな現実社会と摩訶不思議な幻想的沖縄を行ったり来たりする話。沖縄の闇夜がちがって見える。

ムイアニ由来記