根津美術館「燕子花図と藤花図」

尾形光琳「燕子花図屏風」を目の当たりにすると、想像していたよりも、のっぺりとしたタッチ。青を2色、緑を2色。以上終了なんじゃないかというシンプルなもの。 鈴木其一「夏秋渓流図」も迫力たっぷり。江戸時代って、すごく近い。

K先生との会食

リヒター 美空ひばり リパッティ 片岡 仁左衛門 マレーネ・ディートリッヒ 岡部嶺男 義太夫「壺坂霊験記」竹本大隅太夫

河合隼雄『父親の力 母親の力』

河合氏は指摘する。日本型家族的経営の企業にどっぷり浸かり、上司や同僚と疑似家族を楽しんでいたサラリーマンは、よりドライな風潮に社会が変わるにつれて、家に帰り、家の中で家族関係を結ぶ必要が出て来た、と。一方、「かつては父権が存在した」という…

ポゴレリチ「ブラームス 3つの間奏曲 作品117・ラプソディ 作品79 他」

ブラームスの間奏曲は夜にひたるのにうってつけの歌だ。グールドが弾けば上質な夜になるし、アファナシエフが弾けば幻想的な夜になるし、ポゴレリチが弾けば甘美な夜になる。

キャスリン・ビグロー「ゼロ・ダーク・サーティ」

2012年、米国、ジェシカ・チャステイン主演(ツリー・オブ・ライフのオブライエン夫人)。映画はパキスタンでのビンラディンの追跡と殺害の軍事作戦を描く。 2001年の9月11日、私は高校生で、家のテレビで燃える貿易センタービルを見ていた。その…

「24 -TWENTY FOUR- シーズン1」全24話

ジャック・バウワーという「捜査官」は、家族思いな男だ。捜査官は、犯罪者に妻と娘を誘拐される。その暴力と戦うためには、どんな自分勝手も辞さない。上司が死のうが、娘の友達が死のうが、部下を撃とうが、まったく動揺しない。が、家族の声を聞かないで…

岩井 克人『会社はこれからどうなるのか』

会社とは、コンクリートと紙切れからできたモノのような存在でありながら、ひとつの人格をもったヒトのようでもある。私たちはモノとしての会社を売り買いし、ヒトとしての会社に帰属し、汗水垂らして尽くす。この不思議な存在をクリアに説明してくれる。「…

平成26年 2月文楽公演「染模様妹背門松」

世話物。恋をする久松とお染は、本音と建前、心と身体を分離することができない。こどもの論理で生きている。それに対し、彼らを取り巻く親や関係者は、おとなの論理で生きているから、彼らを説得しようとする。しかし、こどもは、おかしな夢を見て、ふたり…

世界プロレス協会 2月16日

2月16日に西調布で開催された女子プロレス。私としては生まれて初めてプロレスを見に行った。40人ほどの観客に見守られながら、女性2人あるいは女性3人が、取っ組み合った。試合のあとに、歌のショーがはじまり、驚く。歌詞を見ながら歌うことに対し、フ…

スティーブン・ダルドリー「愛を読む人」

2008年製作。原作は『朗読者』。「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い 」に感激し、この監督のことを知った。両作品に共通していることは、大きな歴史的悲劇(911やホロコースト)を下敷きにしながら、個人的な哀しみに焦点をあてていること。

NHKスペシャル「オウムが来た町」

オウムはかつて下町に進出していた。オウムは隣のビルでマントラを唱えていた。オウムは麻原逮捕後も増殖を続けていた。オウムはすぐそこに暮らしていた。オウムは帽子を目深にかぶり、声をかけても、なんの返事もしなかった。これらのことを胃がキリキリす…

崎山多美『ムイアニ由来記』

沖縄の女たちの「声」をふうじ込めたような短編集。第一話「ムイアニ由来記」は不気味な声に誘われるうちに、自らの中にあった闇へと導かれてゆく30代女性の話。「オキナワンイナグングァヌ・パナス」は小学生の女の子が虚ろな現実社会と摩訶不思議な幻想…