「24 -TWENTY FOUR- シーズン1」全24話

ジャック・バウワーという「捜査官」は、家族思いな男だ。捜査官は、犯罪者に妻と娘を誘拐される。その暴力と戦うためには、どんな自分勝手も辞さない。上司が死のうが、娘の友達が死のうが、部下を撃とうが、まったく動揺しない。が、家族の声を聞かないでいると狂ってしまう(ちょっと前まで不倫していたくせに)。

この捜査官が戦う相手である「犯罪者」は、これまた家族思いな男たちだ。いろいろと犯罪の背景が描かれるが、つまるところ、父親や兄弟という男の血のつながりをとっても大切にする奴らだ。

上記の男たちはどんな手を使っても、自分たちの正義(という名の家族)のために戦うことをよしとする。それに対して、犯罪者が命を狙う「大統領」は、家族思いではあるが、自分勝手ではない男だ。大統領は、時に自分や家族の利益を削ってでも、公共のために行動を起こせる男だ。CMを入れると24時間にわたってこの3者が三つ巴のように価値観を対立させるが、時をすごせばすごすほど、大統領の公平さに惚れてしまう(彼のハイライトは不倫しないところだ)。

最終話になって明かされる「スパイ」は、とくべつ、何のために戦っていたか分からない。道具のような人物であった。

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